ダイシンエンジニアリングでは、福岡市を中心に多数の工事を手がけてきました。これまでの施工事例の一部をご紹介します。
法面(のりめん)とは、造成などでできた人工的な斜面のことです。表面の草が枯れたり土がむき出しになったりすると、大雨のたびに土が削られ、斜面の下の通路や排水桝に土砂が流れ込みやすくなります。
雑草が伸び放題になると、斜面のひび割れや崩れの兆候にも気づきにくくなります。つまり、法面の手入れを後回しにするほど、土砂流出や斜面の崩れといった大きな補修につながりやすいということです。
特に学校のように子どもが日常的に近くを通る施設では、斜面上のフェンスや階段の劣化も見過ごせません。万が一事故が起きれば、施設管理者の責任(工作物責任)が問われる可能性もあります。土の露出や雑草の繁茂が目立ってきた段階で、早めの補修をおすすめします。
施工概要
- 工事内容:法面補修工事(法面整形・種子吹付工・擬木階段設置・フェンス更新)
- 施工場所:福岡市中央区平尾3丁目29-1(平尾小学校)
- 工期:2026年8月22日~(9月完了)
- 施工時期:2026年8月・9月
- 担当:一級土木施工管理技士
ご依頼の背景・お悩み
福岡市施設整備公社様より、平尾小学校の敷地内にある法面の補修をご依頼いただきました。擁壁の上の斜面は雑草が繁茂し、土がむき出しになった箇所も見られる状態でした。斜面上の階段やフェンスにも経年劣化が進んでいました。
学校施設のため、児童の登校がない夏休み期間に工程を合わせて施工しました。期間中も校内に出入りする方がいらっしゃるため、保安施設と誘導員を配置し、作業エリアと動線を分けたうえで作業を進めています。
施工前の状況


擁壁の上の法面一帯に雑草や低木が生い茂り、斜面の表面がほとんど見えない状態でした。草の根元では土が痩せて露出している箇所もあり、雨による侵食が進みやすい状況でした。
施工中の様子

作業に入る前に、校庭側にカラーコーンとバーを設置し、工事車両と作業エリアを区画しました。校内の通行動線と作業スペースが交わらないよう、配置を事前に決めています。

毎朝の朝礼では、作業員と誘導員で当日の作業内容と危険箇所を共有しました。重機の動く範囲や資材の搬入ルートも、この場で全員が確認してから作業に入っています。

まず刈払機で斜面全体の除草を行いました。草に隠れていた斜面の状態を確認し、整形が必要な範囲を見極めるための工程です。

バックホウを使い、斜面の土羽(どば)を整形しました。つまり、斜面の土を削ったり均したりして、決められた勾配のなめらかな面に仕上げる作業です。表面の凹凸をなくしておくと、雨水が一か所に集まって土を削るのを防げます。

擁壁の下にある既設の排水桝にたまった土砂を取り除きました。桝が詰まったままだと、雨水があふれて通路が冠水する原因になります。

擬木階段を設置する箇所の下地を整えました。斜面の上での作業となるため、脚立とロープで足場を確保して進めています。その後、擬木(ぎぼく)を一段ずつ据え付けていきました。擬木とは、コンクリートなどで木の丸太に似せて作った資材です。天然木と違って腐らないため、屋外の階段や土留めに長く使えます。

擬木階段が据え付け終わった状態です。段の高さと奥行きをそろえ、斜面を上り下りする際に足を取られにくいよう仕上げました。

既設フェンスを撤去し、新しいフェンスの支柱を建て込みました。支柱の通りと間隔を確認しながら、1本ずつ垂直を確かめて固定しています。

整形した斜面に種子吹付を行いました。つまり、草の種・肥料・繊維材などを水と混ぜ、ホースで斜面に吹き付けて緑化する工法です。根が張ることで斜面の表面が固定され、雨による侵食を抑えます。

斜面全体に吹付材が行き渡った状態です。緑色に見えるのは吹付材の色で、ここから発芽して草が斜面を覆っていきます。

建て込んだ支柱に金網を取り付け、フェンスを組み立てました。金網のたるみが出ないよう、張り具合を調整しながら固定しています。
施工後の状態


斜面の整形と種子吹付が完了し、新しいフェンスと擬木階段がそろった状態に整いました。土の露出がなくなり、今後は根付いた草が斜面を守る状態になります。
擁壁下の通路や排水桝への土砂流出も抑えられ、児童が安心して近くを通れる環境を取り戻しています。
担当者コメント
夏休みのうちに終わらせ、「生徒さんたちの二学期が始まるころには奇麗になった部分を見て驚いてもらいたい」という気持ちで真夏の炎天下の中の作業になりました。
斜面の上での作業が多く、暑さもあって体力的にはきつい現場でしたが、毎朝の朝礼で無理のない段取りを確認してから動くようにしていました。種子を吹き付けた斜面が少しずつ緑になっていくのを見ると、やってよかったなと思います。

